愛之助さん、そこまでする?

歌舞伎座を観た。
今月は3部構成だ。
一日で2部見る私は、つまり、2時半から9時まで6時間以上観劇する。
さすがに疲れてウトウトした。そこに・・・
片岡愛之助さんが登場した。
いったい・・なんなんだ。彼は。

彼には秀でたサービス精神がある。華もあり、けれんみや、艶もある。
声帯を高音から重低音まで使い分けられる。
それらを駆使して、客を芝居に引きずり込む。
全身全霊をかけて舞台をしているのが、わかる。
何が彼をそこまで突き動かすのだろう・・。

例えば、客席に水しぶきが飛ぶ演目がある。
これは昔からある。
その場合、客席は配られたカッパを着て観劇することになってる。
だが、実際は、ほんのちょっと水が飛ぶくらいで、実害はない。
おそらく、お着物のご婦人を配慮してのことだろうと思っていた。
今回も、「えらい頑丈なカッパだなぁ、」と私も着た。
着ながら、「またオーバーな・・」と苦笑いした。
だが、愛之助さんは違った。

その水が飛んできた瞬間・・・
「うっそーーーーっ」と叫ぶと、隣の知らない客が私を見て笑った。
愛之助さんは、ホースで客席に水を撒いた。
とんでもない水をかぶり、客たちは奇声をあげ、私もまたカッパ以外はびちょびちょになった。


こ・・・ここまでするか・・・


それはウォータースライダーの比ではない。
ホースで水を客席に撒く演目を初めて経験した。
もちろん、それは演技の延長線上にある。
巨大な鯉のバケモノと格闘する武者のシーンだ。
大きなプールの水の中で、雨も降らせ、鯉と格闘する。
いったい、どれほどの体力を彼は毎日消耗しているのだろう。
そうやってでも、客を感動させたい・・・・
その思いに、私は頭が下がるのだ。

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