注目と軽蔑の目線
大阪の茶屋町では普通の服装で、歌舞伎座に行った。
つまりは・・
ダメージジーンズで、ほぼ、太ももは丸見え。ボロボロ。
ただ、それだけだった。
歌舞伎座の客席の高齢女性がじっと私の太ももを見る。
5秒間。目を大きく見開いていた。
次に、眉間にシワを寄せて、太ももから私の顔へと視線を上げた。
私は・・・満面の笑みでその軽蔑を隠さない目線を迎えた。
おもろいやろ?このジーンズ。
単にそれだけの気持ちだった。
だが、一日中、私は東京で同じ目線を浴びることになった。
数えきれない人たちが、私の太ももを最初に驚愕の表情で見つめる。
次に、軽蔑を隠さず私の顔を見る。
必ずこの順番だった。
私はどんどん自信をなくしていった。
帰阪した。
大阪駅を歩く。
誰ひとり、私を奇異な目で見る人はいなかった。
てか・・私みたいな金髪、ボロボロ系女子はゴロゴロいた。
東京ではまず、金髪に出会わない。
歌舞伎座の客席では、ゼロ、だ。
歌舞伎の語源の、かぶく。は、ふざける、面白がる、だったはず。
もっとも歌舞いた私の出で立ちを、もっとも拒絶したのは、歌舞伎ファンだった。