少年からオッサンへ

なぜか、タレントの後輩ではなく、宝塚の後輩がなついてくれる。
主席、とか、トップスター、とかいう肩書があると、やはり、違う。
大勢を率いて、上下関係を身体化して、礼節を極めた年下・・・。
私よりずっと人間が完成している人物が後輩だとどうなるか。

「遅くなってすみません」と、定時以前に到着する。
「私に気を使ってるやろ」というと、
「いえ。会いたいから来たのです」という。
私が「帰ろう」というまで、決して自ら時計を見ない。
帰宅時、私の姿が見えなくなるまで、決して、背中を見せない。

そういう組織でトップを張るということがどういうことか・・。
誰よりも気を使い、誰よりもクオリティの高い芸を披露する。
そのエネルギーたるや、どれほどのものか。

「ハイボール」と後輩。
「大人になったのやな・・」と私。
「ジンを」と後輩。
「・・・オッサンみたいになったのやな・・」と私。
「遙さん、私もう、〇歳ですよっ」
「私を追い抜いたのやな・・」
そう言って、ジュースを飲む私。

男役の若い頃は、少年だ。
出会った時の、少年のまま、私の脳裏に刻まれた後輩。
ジンを飲む、オッサンになった姿を眩しく見た夜。

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