犬鳴山温泉にいく

犬鳴山の険しい山道を上がる。
雨あがりのコケの光る山道。
岩を登るので足元が危うい。
岩も斜めを向いているのが多く、着地も不安定。
膝がガクガクになった後に入る温泉は格別だ。

そこに力士の部屋が構えられていた。
大阪巡業の宿泊場所だそうだ。
・・・なんでこんな山奥に・・・。
「夜に、出歩かないようにやろ」と兄がいう。
4時以降、もう薄暗い山。
そこに集められた部屋の力士たちは何をして夜まで過ごすのだろう。

かつて、
北新地に、髷を結った力士たちが着物姿で闊歩するのを見てきた。
応援者に連れられて、クラブをはしごする。
新地の通りのそれは、華だった。
すれ違う時の、鬢付け油の香りが忘れられない。

どんな時代の変化があって、彼らは夜遊びから遠ざかったのだろう。
遊ばせてやってくれよ~。
そう思った犬鳴山。

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