結局、見てるのは遺伝子
平成中村座にはなかなか入れない。
いつも人気だし、座席数も少ない。
昔の歌舞伎を再現すべく、故勘三郎さんが作った。
浅草の浅草寺に入ると、よくテレビとかで見る雷門がある。
そのずっと奥に、中村座がある。
その間、外国人客をかき分けて歩く。
強烈な西日を浴びながら、熱くてたまらずかき氷屋に入る。
かき氷を食べながら、ああそうだ。浅草には友人がいた、と思い出した。
電話をかけてみたが、もう違う人の番号になっていた。
・・・亡くなったんだろうか・・・
故坂東三津五郎さんのお弟子さんだった二人。
彼らともよく遊んでもらった。
出会ったのは、彼らがまだ16歳くらいの時。
全員が若く健康だった。
でも、三津五郎さんのお葬式で会った彼は、歩けなくなっていた。
糖尿病だ。
もう一人は早くに逝った。
結局、生き残ってるのは、私ひとりか・・・。
役者、芸能界は、皆、早くに身体を壊す。
皆、無理しているから。
そりゃそうだよ。毎日、とんでもないエネルギーで昼夜の客を沸かす。
そしてほぼ、外食。
そりゃ、糖尿病にもなる。
勘三郎さんの声を引き継ぐ勘九郎さんに酔いながら、その子もまた、似た声を持つことに気づく。
歌舞伎とは、遺伝子にかつての人の面影を慕う芸術だ。
歌舞伎は東京に満ち満ちている。
羨ましく、浅草寺本堂で手を合わせて帰阪する。。。