その価値も分からず
若さとは、アホさ、と言い換えられると思う。
自分を振り返って、だ。
研究生の頃出た歌舞伎の舞台で、出会った俳優たち。
後の坂東三津五郎さんだったり、中村勘三郎さんだったりする。
私は10代、彼らは20代前半。
そのころ、歌舞伎にはまったく興味も関心もなかった。
観ると、退屈しか感じない。
でも、今、たまたまNHKで歌舞伎を放送してた。
白波五人衆だ。
「知らざぁ、言って聞かせやしょう」の、名セリフがある、アレ。
三津五郎さんと勘三郎さんが出演してる。
なんとすごい演技なんだ・・・
それを実感したのが、彼らが他界してから、というおそまつさ。
私の記憶には彼らとのプライベートしかない。
腰の低い、人格者たちだった。
今週、歌舞伎座に行く。
彼らの息子たちが舞台に立つ。
東京の仕事で偶然、遅まきながら、歌舞伎座に通う趣味ができた。
息子たちの演技を見ながら、私は、彼らの亡き父親、私の友、の姿を見る。
とても似てるからだ。
若さとはアホさ。
なんの価値も知らず、ただ、遊んだだけ。
その頃の彼らの演技をもっと真剣に鑑賞すべきだった。
終演後の彼らとその話を深めるべきだった。
若さは、そこにある価値を見過ごし、若さという価値も見逃す。
若さなんて、ろくでもないものだ。