感動を届ける
最近、この年でわかったことがある。
人は肉体の栄養と、心の栄養、が必要だ。
肉体は言わずもがな。
心の栄養は、何で確保してますか?
私の場合は、「感動」が栄養だ。
人によっては、「平和」だったり、「親密」だったり。
私には、平和は退屈で、親密は息が詰まる。
毎日、ピアノ協奏曲を爆音で部屋を満たしている。
チャイコフスキー、ラフマニノフ。
交響曲は、最も感動を簡単にくれる。
音楽は手っ取り早い。
「なんと素晴らしい」と感じたら、それが、栄養だ。
松本清張さんは、10日で一冊、300枚の原稿を書いたという。
私と一緒じゃないか。
私も一冊は10日で書き下ろした。
なぜか。
そこに感動があったからだ。
ピアノコンチェルトは弾けないけど、執筆で心のありのままを描く。
序章からクライマックスまで、そこには感動の波動があった。
感動を栄養に、丸一日、書き続けられた。
感動を心にため込んで、やがて、それを吐き出す。
それが執筆のように思う。
いや、あらゆる芸術活動はそうではないか?
心に溜まった感動を、なんらかの芸術活動で吐き出す。
届けているのは、感動、なのだから、そりゃ、観客は感動を受け取って当然だ。
栄養のない食物を食べても健康にならない。
感動をため込んでいない役者の演技が、薄っぺらいのも同様。
どれほど感動したか。
それが、心を豊かにし、他人も豊かにできるんだ。