やっと終わる休日
友人はしきりに「天下取り」という言葉を使う。
これは以前、私が発見した労働体形のことだ。
私たちは気づかぬうちに、20歳そこらで、どの生き方をするかを選んだ。
天下取りか、ワークライフバランスか。
気づかず、天下取りを選んだ人間は、すべてを犠牲にして勝ちにいく。
そこに、介護も恋愛も結婚も子育ても、町内会の祭りもない。
そもそも人生にバランスなんてない。
誰かが言った、「働いて働いて働いて・・・」だ。
彼女は天下を取った。
一方で、
挑もうとしない、チャンスに飛びつかない、出世欲がない、
そんなタイプがいる。
友人はそれを、「農民・足軽や」という。
「黙々と働き、戦が始まれば足軽として使われる」という。
長いシルバーウィークも今日で終わる。
黙々と働く人たちにとって、天下国家からいただく休息日。
かつて、連休は私にとって一冊本を書きあげる日、だった。
友人は、「仕事が山のように積みあがってる」休日となった。
シルバーウィークの過ごし方を聞けば、どちら側の労働を選んだかが見える。
「生きるために働くんです」と言われたことがある。
はて。思い当たらない。
「生きるために働いてきた?」と友人に聞いた。
「ない」そうだ。
そう。我々は、「死んでもいいと思って働いてきた」のだ。
たまたま生き残った残党だ。
そんな我々は金遣いも荒い。
「だって、いつ死ぬかわからんもん」と友人。
20歳そこらで選んでしまったのだ。わからずに。
死を覚悟で働くのと、生に執着して働くのと。
クソ退屈なシルバーウィークがやっと終わる。